Japan Bach Competition Guide
指導前に確認しておきたい、日本バッハコンクール課題曲部門の演奏ルール。
意外と見落とされがちなポイントをご紹介します。
日本バッハコンクールの参加要項には、課題曲部門の演奏について次のように明記されています。
日本バッハコンクール参加要項より引用
繰り返しは省略とし、1番・2番カッコの場合も、1番カッコを省略してください。ただし、D.C.(ダ・カーポ)、D.S.(ダル・セーニョ)は譜面通り演奏してください。
つまり、楽譜に繰り返し記号が書かれていても、課題曲部門では基本的に省略して演奏するのがルールです。例外は「D.C.」「D.S.」で、これらは楽譜通りに演奏する必要があります。
なお、この繰り返し省略の原則が適用されるのは課題曲部門のみで、一般部門は繰り返し自由とされています。生徒さんの部門によってルールが異なる点にも注意が必要です。
バッハの作品には、舞曲形式を中心に繰り返し記号が多用されています。
楽譜を見ながら練習していると、「楽譜に書いてあるから」と自然にリピートして仕上げてしまうケースが少なくありません。特に、初めてバッハコンクールに挑戦する生徒さんや、他のコンクール・発表会と並行して練習している場合、演奏形式の違いが混同されやすいポイントです。
繰り返しの有無は、単に演奏時間が変わるだけでなく、曲の構成そのものが変わって聴こえます。練習の早い段階でルールを共有しておくことで、本番直前になって演奏を組み替える手間を防げます。
参加要項を確認すると、繰り返し省略のルール自体は変わっていませんが、違反時の扱いに関する記述に変化がありました。
前年度(第16回・2025年度)の要項には、このルールに続けて次の一文がありました。
前年度(第16回・2025年度)要項より引用
繰り返しが異なると判断された場合、減点の可能性があります。
しかし今年度(第17回・2026年度)の要項では、この一文が削除され、違反した場合の具体的な処遇について記載がなくなっています。要項の他の項目(バッハ以外の作曲家の編曲を演奏した場合は失格、等)では処遇が明記されているだけに、この項目だけ記載がないのは対照的です。
これが運用を緩めた意味なのか、単なる記載の簡略化なのかは、要項の文言だけでは判断できません。確実に知りたい場合は、主催(東音企画)へ直接問い合わせるのが確実です。
注意
とはいえ、記載の有無にかかわらず、課題曲は繰り返しなしで演奏するのがルールであることに変わりはありません。指導の現場では、要項通り「繰り返しなし」で仕上げることをおすすめします。
課題曲を選んだ最初の段階で、繰り返しの扱いを生徒と共有しておくことが大切です。
本記事は2026年度(第17回)日本バッハコンクール参加要項(6月23日版)の内容に基づいています。要項は「内容は更新される可能性があります」との注記があるため、参加される際は必ず公式サイト(bach-concours.org)で最新の要項をご確認ください。
Clé du SolのAI演奏診断機能でバッハコンクール課題曲を診断する際も、この「繰り返しなし」の原則に沿って演奏・録音していただく必要があります。詳しい使い方は演奏診断の使い方ガイドをご覧ください。
「繰り返しなし」の模範演奏と比較して強弱をAIが解析。生徒本人の演奏のテンポ推移もグラフで確認できます。
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